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Così da’ lumi

作曲:Salvo Gangi
作曲者より

 『神曲』天国篇の第14歌は我々に、神というものを表現し、記憶することの複雑を示しています。この”Così da lumi”の部分は、短いながらも、多くの発想と「音楽」の興味深い定義が書かれています。音楽とは「歓喜」であると、ダンテは言うのです!

 神と十字架の幻影の前に、彼は我を忘れてうっとりとし、自分が見たり聞いたりしているものを、描写することがほとんできないほどになります。

 曲は、単一の和音からはじまり、徐々に光の筋のように広がっていきます。これらの光は、音楽的な絶え間ない流れを表現するかのごとく、発展したり減衰したりしながら、ときに柔らかくぶつかり合います。

 この夢のような光景の前で、ダンテは彼を陶酔させる旋律が、十字架から生まれるのを見ます(21小節目)。そして彼は、天上の祈りの中にいるかのように、彼をうっとりさせる歌を見ます(23小節目)。この部分を作曲しているとき、聖アウグスティヌスの経験の描写が、すぐに私のもとに降りてきました。テノールの冒頭は、古い聖歌、アンブロジウスの”Deus Creator Omnium”からの短い引用です(註1)、そしてこれは、聖アウグスティヌスが何度か聞いて、信仰の目覚めへと導かれたものだと言われています(註2)。私はこれらふたつを組み合わせることを、とても楽しみました。この冒頭部はまず応答的に相互に作用し、次に互いに対位法的に、すべてのパートによって歌われます。男声部による繰り返しのあと(37小節目)、和声的な発展と進行が、クライマックス(49小節目)に向けて盛り上がりを見せます。のちに、9つの音で作られた下行形の渦が続きますが、これは9の天使の階級のことを示していて、そのそれぞれが、ダンテがベアトリーチェと到着した永遠であり不動ある最高天の空の動きを表現しています。最高天には、神と祝福された人々がいます。

 楽節は、ダンテが執拗とも言えるほど繰り返す、自身でも完全には理解できていないもの、自分が見た超越的な現実への感動、そしてその感動が自身の中にも残っていることを描写して終止します。天と神の形而上学的で超越的な経験を言語化する試みはほとんど不可能なようです。彼の中には、そう固定された思いが残っています。

 

(1) 参照:Saint Augustine, Enarratio in Psalmum 148; GIULIO CATTIN, Il Medioevo p.23ss.; UGO SESINI, Poesia e Musica nella latinità, p.66.

(2) “あなたの教会で甘美に響いた賛美歌と聖歌のアクセントを聴いて、どれほどの涙を流したことでしょう!激しい感情:それらのアクセントは私の耳に流れ込み、私の心の中に真理を抽出し、その中に哀れみの暖かい感情を呼び起こした。流れた涙は、私のためになった」。サント・アウグスティヌス『告白』9, 6, 14:

CCL 27, 141 (PL 32, 769-770).

製本版とデジタルスコア版(ダウンロード版)の2種類あります。以下でどちらかを選択して下さい。

説明

作曲者:Salvo Gangi
作詩者:Dante Alighieri
声部:SATB
伴奏:アカペラ
言語:イタリア語
演奏時間:5’45”
ページ数:12