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朝ゆえに

作曲者: 松下 耕

 

作曲者より

この曲は、シンガポールの指揮者リム・アイフーイLim Ai Hooi氏および南洋理工大学Nanyang Technological University 合唱団のために2006年に作曲したものである。2021年暮れに改訂版が完成した。

テキストとしたのは、谷川俊太郎の同名の詩で、3連から成るものである。曲も、詩の内容に寄り添う形で進行する。

ここに、この曲の構成、ドラマの展開を記す。

【Introduction】どこか異次元の世界から呼び覚まされるような、女声のD音の保続に、鮮烈なTempo rubatoのソロのVocaliseが響く。ピュアでビビッドな朝の到来。

【第1部】詩の第1連をうたう。清々しい空気の中で、自分と繋がる瞬間(しゅんかん)。内なる声を聞き、無垢な心と出会う。静かな瞑想に包まれている。

【Interlude 1】ソリスト二人の掛け合いは、まるで森(合唱が奏でる5度の重層[G,D,A])を飛び遊ぶ鳥のようだ。自由で、優雅な世界。

【第2部】第1部と同様の世界を表現しているが、サウンド的には第1部と対の構造になっている。緊張感と神秘性の世界。

【Interlude 2】IntroductionおよびInterlude 1と似ているが、ここでは合唱が三和音を豊かに響かせている。つまり、合唱はユニゾン〜完全5度〜三和音と成長してゆくのだ。

【第3部】ここから『うた』がはじまる。優しく、おおらかで、感動的な『うた』である。

【Ending】ここで奏されるSoloのメロディーはことさら印象的だ。ソリストのみによる部分があるからである。世界は静寂に戻っていくが、私たちの心の中は希望で膨らみ、世界へ(宇宙へ)と向いている。

 

 

製本版とデジタルスコア版(ダウンロード版)の2種類あります。以下でどちらかを選択して下さい。

説明

作曲者: 松下耕
作詩者:谷川俊太郎
声部: SATB+2 Soprano Soloists
伴奏: アカペラ
言語: 日本語
演奏時間: 6’10”
ページ数: 16