この作品は、2017年に、佐賀県の合唱団MODOKIのために書かせていただいた曲である。その年の8月26日に、軽井沢国際合唱フェスティバルで同合唱団により初演していただいた。曲は、誰にも気軽にア・カペラの合唱を楽しんでもらえるように作られていて、音域やリズムなど、平易に歌えるようになっている。
「私」をとりまく自然のなかの、何気ない風景にこそ、生命の神秘と喜びが詰まっていることを知り、「私」の中に感謝の心が生まれる。そして、私をこの美しい世に産んでくれた母に感謝し、最後に、せっかく母が産んでくれたのに、人生の目標や自分の居場所を見出せず、なかなか自信を持てない、不安だらけの自分自身に、ひっそりと「ありがとう」と呟く。自分にしか聞こえない、自己肯定の言葉だ。しかし、その呟きの先には、限りない世界が広がっているのだ。可能性、という世界が。
谷川さんの素晴らしい詩を、どうかこの曲で感動的に歌い上げていただきたいと思う。
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作曲者: 松下耕 作詩者: 谷川俊太郎 声部: SATB 伴奏: アカペラ 言語: 日本語 演奏時間:3’15” ページ数: 12
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