はつしぐれ（女声）

作曲者：丸尾喜久子

作曲者より

この作品は、2016年にharmonia ensemble により混声版が初演されました。今回は、女声版として新たに書き直しました。声の表現の可能性を探り、空間を生かした音響的にも面白い曲を書きたいと思い、松尾芭蕉の俳句をテキストにして作曲しました。この句は、『奥の細道』の旅を終えて帰郷の折､伊賀越えの山中で初時雨にあって詠まれたものだそうです。ひらがなで書かれた『はいくのえほん』（鈴木寿雄 著）に出会いました。絵を見ているうちに、曲の楽想が浮かんできて夢中になって作曲しました。初時雨、猿、小蓑、という漢字から受ける印象とは又違った感触でした。 作品は、少人数アンサンブルにも適しています。合唱団の皆さんで色々と工夫して楽しんで歌ってもらえれば嬉しいです。